設計の基本と材料選び
自分だけのキャンプギアを作るDIYは、アウトドアの楽しみを何倍にも広げてくれます。
中でも折りたたみテーブルは構造が比較的シンプルで、初心者でも挑戦しやすいアイテムです。
今回は、収納時に脚がパタンと内側に倒れ、
天板の厚み+α程度に収まる「薄型収納」を目指した設計図と作り方を解説します。
設計で最も重要なのは「脚の長さ」と「収納スペース」の計算です。
例えば、横幅60cmのテーブルを作る場合、両端から脚を内側に倒すと、脚の長さが30cmを超えると中央でぶつかってしまいます。
これでは平らに畳めません。
もし高さのあるテーブルにしたい場合は、脚を取り付ける位置を前後にずらして重ならないように設計するか、横幅を広げる必要があります。
まずは作りたいサイズを決め、脚が干渉しないか紙に書いてシミュレーションすることから始めましょう。
ホームセンターでそろう材料と道具
メインとなる「天板」には、見た目がおしゃれで強度もあるOSB合板や、表面が綺麗なシナベニヤがおすすめです。
無垢材を使う場合は、反りが出にくいパイン集成材が良いでしょう。
脚と天板の裏を補強する枠(幕板)には、加工しやすい杉材やSPF材が適しています。
そして今回の要となるのが、可動部を作る蝶番(ヒンジ)です。
ホームセンターで売られている一般的な平蝶番で問題ありませんが、サイズは脚の太さに合わせたものを4つ用意してください。
その他、木工用ボンド、ビス(木ネジ)、電動ドライバー、ノコギリ、サンドペーパーがあれば作業に入れます。
蝶番を使った組み立てのステップ
材料をカットしたら、いよいよ組み立てです。基本は裏返した状態で作業を進めていきます。
ステップ1:天板の裏に枠を作る
まず、天板の裏側の四辺に、木材で枠(幕板)を取り付けます。
この枠は天板の反りを防ぐだけでなく、折りたたんだ脚を隠して収納時の見た目をスマートにする役割と、脚を固定するための土台としての役割を果たします。
ボンドで仮止めし、天板の表側、もしくは裏側からビスで固定します。
表からビスを見せたくない場合は、裏からL字金具を使って固定するか、ダボ継ぎという方法を使いますが、初心者はビス頭をあえて見せる無骨なデザインにするか、裏からポケットホールジグ等で斜めに打ち込むのが簡単です。
ステップ2:脚への蝶番取り付けと固定
次に脚を取り付けます。ここで重要なのが蝶番の向きです。
脚を開いた状態(垂直)で固定するのか、畳んだ状態(水平)から固定するのかで取り付け方が変わりますが、おすすめは「開いた状態で直角」になるようにセットする方法です。
脚となる木材のトップに蝶番の片側をビス止めし、もう片側を先ほど作った枠の内側、または天板の裏面に固定します。
このとき、脚を広げた際に、脚の上部が枠や天板裏のストッパーにガチッと当たるように設計すると、荷重がかかった時の安定感が増します。
ステップ3:仕上げの研磨と塗装
組み上がったら、最後に必ずサンドペーパーで全体を磨きましょう。
キャンプでは子供が触れたり、食器を置いたりするため、角のバリやトゲを完全に取り除くことが安全上のマナーです。
仕上げに、アウトドアでの使用に耐えられるよう塗装を行います。
木の呼吸を止めずに撥水効果が得られるオイルフィニッシュがおすすめです。
これを塗ることで木目が際立ち、使い込むほどに味が出る、世界に一つだけのキャンプテーブルが完成します。
