DIY中の怪我を防ぐ保護具の選び方

目の怪我を防ぐ保護メガネの選び方

DIYは楽しい趣味ですが、電動工具や刃物を扱う以上、常に怪我のリスクと隣り合わせです。
中でも特に注意が必要なのが目へのダメージです。

木材の切断中に飛んでくる木粉、釘打ちで弾かれた金属片、塗装中の飛沫などが目に入ると、失明などの取り返しのつかない事故に繋がる恐れがあります。

通常のメガネやサングラスでは、横からの隙間をカバーできず、衝撃に対する強度も不十分です。
DIYを始めるなら、まずは自分に合った専用の保護メガネを選びましょう。

形状と機能で選ぶポイント

保護メガネには大きく分けて、一眼型(レンズが繋がっているタイプ)と、二眼型(普通のメガネのようなタイプ)、そして顔に密着するゴーグル型があります。
木工DIYであれば、軽くてかけ心地の良い一眼型か二眼型が一般的です。

選ぶ際の最重要ポイントはフィット感と耐衝撃性です。
顔との間に隙間があると、そこから粉塵が入り込んでしまいます。

購入時は、JIS規格やANSI規格(米国規格)などの安全基準をクリアしている製品を選ぶと安心です。
ポリカーボネート製のレンズはハンマーで叩いても割れないほどの強度があり、飛来物から確実に目を守ってくれます。

また、普段視力矯正用のメガネをかけている方は、「オーバーグラス」と呼ばれるタイプを選びましょう。
これはメガネの上からそのまま装着できる大きめの設計になっており、視界を確保しながら保護機能を追加できます。

さらに、作業中は体温やマスクの息でレンズがくもりやすいため、くもり止め加工が施されているものを選ぶと、作業効率を落とすことなく安全を確保できます。

手袋とマスクの正しい選び方

目だけでなく、手や呼吸器を守ることも重要です。
しかし、これらの保護具は何でも着ければ良いというわけではなく、作業内容に適したものを選ばなければ、かえって危険を招くことさえあります。

回転工具に軍手は絶対NG

「作業用手袋=軍手」というイメージがあるかもしれませんが、電動丸ノコやドリルドライバーなどの回転する工具を使う際、軍手の着用は厳禁です。
繊維の粗い軍手は回転部に巻き込まれやすく、指や手を重大な怪我に巻き込むリスクが非常に高いためです。

回転工具を使う際は素手が基本ですが、もし手袋をするなら手にぴったりとフィットする薄手の革手袋や、巻き込まれにくい素材のゴム背抜き手袋を選んでください。

一方で、ノコギリやカッターナイフなどの手工具を使う場合や、木材の運搬時は、耐切創(たいせっそう)手袋が推奨されます。
これは刃物が当たっても切れにくい特殊繊維で作られており、不意の切り傷やトゲの刺さり防止に絶大な効果を発揮します。

粉塵から肺を守る防塵マスク

木材をサンダーで磨いたり、切断したりすると、目に見えないほど細かい粉塵が大量に舞い上がります。
これを吸い込み続けると、咳が止まらなくなったり、長期的には肺の病気を引き起こしたりする可能性があります。

風邪や花粉用の安価な不織布マスクでは、微細な粉塵を完全には防げません。
DIY用としては、国家検定に合格した「DS1」や「DS2」という規格の付いた防塵マスクを選ぶのが正解です。

カップ型で口元に空間ができるタイプや、排気弁が付いているタイプなら、呼吸が楽でメガネもくもりにくいため、長時間の作業でも快適です。
自分の身を守るための装備には、コストを惜しまず適切なものを選びましょう。